高橋専務の所から戻って来て、社長の机を見れば、散らかっているので片付けようと手を伸ばす。


と、背後から大きな手が私の目を覆い被せた。


あたたかい、その大きな手は私の鼓動を早くする。

この部屋にノックもしないで入って来られるのは、そう唯一1人。



神城社長その人だ。




「だれーや?」



耳元で囁かれるその声に意識が遠のいてしまいそうになるのを必死で堪え答える。