さすがにいたたまれなくなり、すぐさま二階堂さんへスマホでメールをする。

いいところまでいったのに、うまくいかなかった、と。

しばらくして二階堂さんからメールが届いた。

今、よければ電話で話を聞く、と。

OKしたらさっそく二階堂さんから電話がかかってきた。

「うまくいかなかったというのはどういうことでしょう」

「好きだって言えるチャンスがあったんです。何度も。でも、どうしても言える勇気がでなくて」

「勇気ですか……」

「結局自分からチャンスをつぶしてしまいました」

「しかたないですよ。星野さんの性格からしてきっと緊張して自分の気持ちなんて話せないでしょうし」

「どうすればよかったんでしょうか」

「星野さんの行動に間違いはないですよ」

「……そうでしょうか」

「そうやって反省してるってことはまだ修復はできそうですけど」

修復か。

期待させておいただけに、もう一度桐島課長にアタックできるだろうか。

「あきらめてないんでしょう、その課長さんのこと」

「はい、もちろんです」

「傷を広げないように慎重に行動してください」

普段通りの生活をして、そこから何かがみつかればいいけれど。

「慌てないように。実が熟するのを待つように」

「はい、ありがとうございました」

電話を切った。

黄色のカーテンのそばまでいき、カーテンを少し開ける。

気がつけば雨がやんでいた。