いつものように非常階段へいき、桐島課長と会うけれど、もう少し自分をアピールしたいけれど結局たわいもない話をしてその場で終わりになる。

隣の部屋だからドアを開ければ桐島課長が出てくる、だなんてベタっぽいことを想像しても、思ったとおりになるはずもなかった。

それからしばらくしてから染谷さんとお店を考えたところ、最近オープンしたばかりのカジュアルな洋風居酒屋にしようと決まった。

本当は掘りごたつのある居酒屋も候補にあったようだったが、あえてカジュアルな洋風居酒屋にしたのは何か企んでいるということだろうか。

「これで桐島課長に近づけるかなー」

と染谷さんは小鼻を膨らませ、躍起になっている。

このままでは染谷さんに優位になってしまう。

かといってもこれ以上、桐島課長へのアプローチはできないと思って手詰まり状態だ。

これ以上どうしたらいいかわからない。

下手に歓迎会で告白したとしたら、ただのその場の雰囲気で酔っ払いがいった言葉だから信用できないだろうし。

二階堂さんにまずは相談しなくては。

そういえば、仕事が終わってからスマホへ二階堂さんから「それから進展はありましたか」とメールがきていた。

特にないとメールを返すと、すぐにメールがきた。

たまには会って話をしませんか、と二階堂さんからメールが届いた。

必要に応じて直に話を聞いてもらうことは契約書のなかにも入っていた。

何か秘訣があるといいんだけれど。