なかなか仕事に対するエンジンがかからないまま、午前は終わり、お昼休憩に入る。
社員食堂へいって定食を食べるも、いつもは美味しくいただいているはずなのに、今日はなんだか味気のない食事で、それでも午後の活力として食べておかないと体が持たないから平らげる。
いつものように会議室のある階の非常階段のドアをゆっくりと開けた。
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
やっぱり桐島課長は上の階に続く非常階段に座り、おにぎりを頬張っていた。
「まさかお隣同志なんてね」
と、のんきに春の柔らかなそよ風にあたりながらペットボトルのお茶を飲んでいた。
元はいえば桐島課長、あなたのせいですよ、とひとのせいにしたいけれど、こればっかりは自分の問題なので歯がゆくてしかたがない。
「僕とお隣だって、誰かに言った?」
「いえ、言えるわけないですよ」
「そうだよね。もちろん僕もだけど」
そういって桐島課長は目を細めて笑っていた。
あくまで上司と部下の関係なのだ。
身勝手な妄想は控えたほうがいいと何度も自分に言い聞かせながら、わたしも春の暖かな日差しとともに風を浴びて桜から少しずつ新緑の多くなった木々を眺めていた。
社員食堂へいって定食を食べるも、いつもは美味しくいただいているはずなのに、今日はなんだか味気のない食事で、それでも午後の活力として食べておかないと体が持たないから平らげる。
いつものように会議室のある階の非常階段のドアをゆっくりと開けた。
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
やっぱり桐島課長は上の階に続く非常階段に座り、おにぎりを頬張っていた。
「まさかお隣同志なんてね」
と、のんきに春の柔らかなそよ風にあたりながらペットボトルのお茶を飲んでいた。
元はいえば桐島課長、あなたのせいですよ、とひとのせいにしたいけれど、こればっかりは自分の問題なので歯がゆくてしかたがない。
「僕とお隣だって、誰かに言った?」
「いえ、言えるわけないですよ」
「そうだよね。もちろん僕もだけど」
そういって桐島課長は目を細めて笑っていた。
あくまで上司と部下の関係なのだ。
身勝手な妄想は控えたほうがいいと何度も自分に言い聞かせながら、わたしも春の暖かな日差しとともに風を浴びて桜から少しずつ新緑の多くなった木々を眺めていた。