わたしが告白すると、すべての相手の男は顔を歪める。
今回だってそうだ。
クリスマスの夜、高校時代の友人に誘われて出席した合コンで知り合った男子と仲良くなった。
顔は合コンのメンバーの中で取り合えず平均よりも上をいくような、今時の塩系男子だ。
知り合ってからはご飯を食べるようになったけど、期待していたそれ以上の関係にはならなかった。
3月で県外へ異動になるってきいたから告白しただけなのに。
2月も終わりになるとき、わたしから男を誘ってご飯を食べた帰り道、話があると引き止めた。
「あのさ、わたし、好きなんだけど」
ただそれだけを言ったまでだ。
なのに、その男はわたしの告白を聞くなり間抜けに顔を歪め、ため息をついた。
「あのさ、人を本気で好きになったこと、ある?」
「え……」
「奈々実と食事できるのは嬉しかったよ。話も合うしさ、楽しいし」
「じゃあいいじゃない」
そうじゃないんだよね、と前置きをして男は続く。
「言うの忘れてたんだけど、オレさ、ほかに好きな子いるんだよ。わかってたんじゃないの?」
わかって当然な言い回しだ。
「わかってないし。だから告白したっていうか」
「もう少し自分の身の丈ってもんを考えたほうがいいんじゃないの?」
「身の丈って……」
「まあ、オレを好きになってもらえたってことはモテてるってことか。その言葉、ありがたくもらっておくとするか」
ヘラヘラ笑っちゃって。なによ、その言い草は。
今回だってそうだ。
クリスマスの夜、高校時代の友人に誘われて出席した合コンで知り合った男子と仲良くなった。
顔は合コンのメンバーの中で取り合えず平均よりも上をいくような、今時の塩系男子だ。
知り合ってからはご飯を食べるようになったけど、期待していたそれ以上の関係にはならなかった。
3月で県外へ異動になるってきいたから告白しただけなのに。
2月も終わりになるとき、わたしから男を誘ってご飯を食べた帰り道、話があると引き止めた。
「あのさ、わたし、好きなんだけど」
ただそれだけを言ったまでだ。
なのに、その男はわたしの告白を聞くなり間抜けに顔を歪め、ため息をついた。
「あのさ、人を本気で好きになったこと、ある?」
「え……」
「奈々実と食事できるのは嬉しかったよ。話も合うしさ、楽しいし」
「じゃあいいじゃない」
そうじゃないんだよね、と前置きをして男は続く。
「言うの忘れてたんだけど、オレさ、ほかに好きな子いるんだよ。わかってたんじゃないの?」
わかって当然な言い回しだ。
「わかってないし。だから告白したっていうか」
「もう少し自分の身の丈ってもんを考えたほうがいいんじゃないの?」
「身の丈って……」
「まあ、オレを好きになってもらえたってことはモテてるってことか。その言葉、ありがたくもらっておくとするか」
ヘラヘラ笑っちゃって。なによ、その言い草は。