放課後。
優子は優奈と一緒に近くのレストランへ寄った。
「ここのレストランの料理も美味しいけど、ケーキも美味しいんだよー」
「そうなんだー。じゃあ、お勧めのケーキ教えてよー!私、食べるからさ!」
「うーんとねー、このシフォンケーキもお勧めだよ」
「じゃあ、それにするね」
二人は同じ物を注文した。
「お待たせしました。シフォンケーキでございます」
「うわ!美味しそう」
シフォンケーキには生クリームが添えてあった。
ホークで一口…
「ねっ、美味しいよねっ!」
「うん!とっても美味しいよ!」
ケーキの生地がとてもふわふわしてて、口当たりもよくて…。
こんな美味しいケーキは初めて食べた。
「ねぇ、知ってる?」
「知ってるって何を?」
「うちのクラスにさ、前島由紀(まえじま ゆき)っているでしょう?」
前島由紀…。
同じクラスの子で…。
とても大人しい感じの子…だったかな…。
「嗚呼、いるよね。大人しい感じの子」
「前島さんは、双子の姉妹なの!」
「へー。双子なんだー」
「前島さんが姉で、妹は確か美紀(みき)って名前なの」
「それで?」
「内緒の話なんだけどね、時々、入れ替わってるらしいの」
入れ替わる?
「何で?」
「さぁね。理由は分からないけど…。でもさ、双子っていいよね。だって、見分けもつかない位そっくりだし。それにさ、片方が苦手科目の授業なら、もう片方と変われるし…」
「うーん...ちょっと無理があると思うけど…(苦笑)」
「そうかなー。全然、問題ないと思う」
「あはははは…(苦笑)そう…だよね…(苦笑)」