「お前、前に言ってたよな?愛されたいって。

俺じゃダメか?」


そう言った声は何だかすごく弱々しくて。


すごく情けなかった。


でも、それでも。


ボロボロと泣きだした広瀬が、何だか幸せそうな顔をしたから。


「何か言えよ。俺、頑張ったんだぜ?」


俺はすごく幸せだった。


「私でいいんですか?」


消えてしまいそうな程の弱々しい声がすごく愛しくて。


「お前だったら最高。てか、俺がお前を愛したい。ダメ?」


気づけばそんな恥ずかしいことを口にしていた。


真っ赤になる顔をどうやって隠そうかと、次の言葉を探しだした俺に、広瀬のか細い声が届き、俺は思わず固まった。


「……ダメなわけないじゃないですか。私、ずっと先輩のこと好きだったんだから。」


「………」


「……涼先輩?」


彼女の言葉にハッとし、俺は慌てて口を開いた。


「…マジで言ってる?俺のこと好きなんて……」


「嘘なわけない。」


パニくる俺に、広瀬ははっきりとした声でそう言った。


夢じゃないか…?


そう思うくらい幸せで、俺の顔には自然と笑みが零れた。


「後から嘘って言っても遅いからな。」


「ありえない。先輩こそ、今さら嘘って言っても遅いですよ。」


「そっちの方がありえねぇ。」


そう言って、二人で笑い合ったんだ。