ダメ、嫌だ!!


そう思った瞬間、反射的に俺の体が動いて、気づけば広瀬を抱き締めていた。






「いくな。生きる気力がないなんて言うなよ。お前、自分のこと、何にもわかってねぇよ。」


勝手に言葉が溢れてく。


「先…輩……?」


「何が醜いだ。何がひどいだ。そういうこと思って、自分責めるようなとこからして、お前は優しいよ。」


広瀬はまだ状況を掴めていない様子で、驚いているようだった。


でも、そんなのお構いなしに、俺の口は勝手にどんどん話し出し、止まろうとしない。


「俺、前に言ったよな。気づかないだけで傍にいるかもしれない。絶対お前を愛してくれる人がいるって。

俺はさ、ずっと好きだったよ。お前が。すごく優しくて。でも、弱くて脆くて。守りたいってずっと思ってた。」


強く強く抱き締めた。


そうしないと、広瀬がどこか遠くへ行ってしまう気がして。


失いたくない。


その一心で強く抱き締めた。