もう夜七時だ。
何かあったんじゃないかって思うのが普通じゃないのか?
そう思うと何だか不安に鳴って、広瀬の言葉が頭に響いた。
“私、愛されてないから…”
広瀬の寂しそうな目が甦る。
ズキンという胸の痛みを合図に、俺は走りだした。
広瀬がいる場所なんてわからなくて、俺はただそこら中を探し回った。
その間中、ずっと頭に響き続けていた広瀬の言葉。
“愛されてないから”
嫌だ…
ただそれだけだった。
きっと今、広瀬は泣いてる。
傷ついてるはずだ。
だから嫌だ。
一人で泣くなって今すぐそう言いたい。
好きだって今すぐ伝えたい。
ちゃんと愛されてるよって今すぐ抱き締めたい。
もう、広瀬のあんな顔、見たくない。
あんな顔、してほしくない。
ただそれだけ思って、必死で探し回った。