キィー


重い扉を開けたそこには、広瀬と……


知らない男がいた。




考えてもいなかった事態。


そっか…


広瀬、彼氏いたもんなぁ…


冷静にそんなことを考えると、何だか急に気まずくなって。


「涼先輩!!」


「広瀬!!」


驚く広瀬に俺も驚いたフリをした。


彼氏の目の前で告るなんてできないもんな。


「……彼氏か?」


とりあえず何かしゃべらなきゃと思ってそう言うと、広瀬は俯いて黙り込んだ。


何だろうと不思議に思っていると、広瀬の代わりに彼氏の方が答えた。


「今、別れ話してるところです。だからついさっきまでは彼氏でした。でも今はただの友達です。」


少し反応が遅れた気がした。


「えっ…あっ、何か邪魔してごめん。」


テンパった俺は、それだけ言うと慌てて屋上を去った。