キーンコーンカーンコーン


4限目の終わりを告げるチャイムが鳴って、俺は教室を飛び出した。




“広瀬に告白する”


昨日奈々に告られて、やっと踏ん切りがついた。


いつまでも想うだけでいるのは止めよう。


ちゃんと伝えよう。


何より、


俺のキモチを知ってもらいたい。


そう思った。




ガラガラ


「あ、広瀬、いる?」


広瀬のクラスの教室に行くと、近くにいた女子に声を掛けた。


「えっと、たぶん屋上に……あの…」


「そっか、ありがとう!!」


その子が何か言い掛けていた気がしたけど、そんなの無視して走った。


溢れだしそうな程に膨らんだこの想いを、早く伝えたい。


ただその一心で、俺は屋上に向かっていた。


一段飛ばしに階段を駆け上がり、気づけばもう最上階。


屋上のドアの前で一度小さく深呼吸し、俺は重い扉に手を掛けた。