「ん〜…はぁあ〜」
チュンチュンと鳴く鳥の声で目が覚めた。
ピピッ ピピッ
少し遅れてから鳴る目覚ましの音。
何だか今日は目覚めがよかった。
久しぶりに自然に起きたからだろうか?
それとも俺の覚悟の表れなのか…
そんなことを考えていると勢い良く部屋のドアが開いて、俺はハッとした。
「ちょっと涼!!」
デカ過ぎる母さんの怒鳴り声に思わずビクッとする。
「声うるせぇ…」
わざとダルそうにそう言った俺に、母さんは相変わらずデカい声で怒鳴り散らす。
「うるさいのはこっちよ!!起きてるなら目覚まし止めなさいよ!!」
目覚まし止めてなかったっけ…?
忘れてたわ…
そんなのんきなことを考えながら目覚ましを止めた。
何だかあまりに普通過ぎて、昨日の覚悟が薄れていきそうだった。
「いい加減、けじめつけなきゃな…」
ボソリと呟いたときには既に母さんは部屋にはいなくて、一階からは相変わらず怒鳴り声が響いていた。