その後も結局声をかけることはできず、俺はただその背中を見守るように後を追っていた。 広瀬が無事家の中に入っていったのを確認すると、元来た道を引き返した。 俺、何ストーカーみたいなことしてんだろう…? そう思うと何か虚しくて。 思わずため息が漏れた。 家に帰っても、今日見た彼女の泣き顔が頭から離れなくて。 その日の夜は結局ほとんど眠れなかった。