少し歩くともう大分暗くなってて、チャリで来ればよかったと今さら後悔していた。
校門の近くまで来ると、誰かが道路を見つめながらボーッと立っているのが見えて早足で近づいた。
「はぁ。」
「広瀬?」
確認するように声をかけると、彼女は振り返った。
目の前にいるのが広瀬だとわかると、途端に表情が明るくなるのが自分でもわかった。
「……!!先輩!?何でここにいるんですか?」
突然声をかけられて驚いたのか、広瀬は目を見開いて声をあげた。
「ちょっと忘れ物を取りに。まだ開いてるか?」
「あっ、はい。今ならギリギリ開いてると思います。」
いつもよりちょっと早口。
もしかして緊張してる?
そんな期待をしながらも冷静に応える。
「そっか。ありがと。」