「…お母さんに言ったって困った顔されるだけだよ。」
その言葉が胸に刺さる。
痛い…
何だろう、この感じ…
広瀬は自分を嫌いなの?
何でそんなに自分を苦しめるの?
何で人に頼らないの?
「そんなことないよ。ちゃんと看病してくれるよ?」
「どうだろうね…」
「広瀬!!」
突然怒鳴った俺に広瀬は一瞬固まった。
止めろ…
「もう止めろ。」
それ以上自分を傷つけるなよ…
苦しそうな顔するな。
もう、止めろよ…
俺の言葉に哀しく笑った広瀬は、涙を溜めた目で俺を見つめると、小さな声で呟いた。
「すみません……私、捻くれてて………」
そう言って気絶した広瀬に、俺はしばらく動くことすらできなかった。
彼女が最後に言ったその言葉は、まるで彼女自身を責めてるようで。
気絶した彼女の目から流れた涙に、俺は自分の無力さを感じていた。