「…あれ…。須藤…君…?」
「気分はどう?」
「…私…」
「倒れたんだよ。疲労で。」
そう言うと倒れる前の事を思い出したのか、そっか…ともっと力の無い声で返事をした。
少し黙った後、美沙子は小さくため息を吐いて、
「結局須藤君に甘えちゃったね…」
「…?」
「ごめんね、ひどい事言って。」
「大した事じゃない。」
「わがままばっかりで、しんどくない?」
「美沙子のわがままなら全然嫌じゃない。」
頬を撫でながら言うと、美沙子はそれが気持ち良いのか顔を手に寄せてくる。
そんな仕草も可愛い。
俺は美沙子が思ってるより、きっと美沙子の事が好きだ。
だから美沙子のわがままだって、お願いだって聞く。
「やっぱり、須藤君は優しいね…」
「…美沙子にだけだから。」
「…ふふっ、ありがとう。」
「疲れてるだろ。まだゆっくり寝てていいから。」
「うん…じゃぁもう少しだけ。」
そう言って目を瞑った美沙子は、すぐにスースーと寝息を立て始めた。
その様子を見て、俺はズルいと思ったがマスクを外して、美沙子の口にそっと口付けを落としたーー。