文化祭1日目。
行事が嫌いな俺は参加どころか学校にも行かないでおこうと思っていたが、美沙子の事が心配で学校に来ていた。
あれから美沙子とは一回も会ってない。
はっきり言うとあの言い方をされた時、少しムカついたし寂しかった。
でもクラスで色々あった美沙子をほっとくわけにはいかないので、俺にはどうも出来ないので間宮姉妹に任せた。
姉の雨弥に大体の経緯を伝えると、後は任せて下さい、と言われた。
うまく、いってればいいけど…。
在校生と他校生で賑わう校舎を俺は出来るだけ目立たないように歩く。
はっきり言うと文化祭に来たくなかったのは、去年の事もあるからだ。
体育祭だけでなくお祭りごとが大好きな千尋は普段の授業はサボるくせに、文化祭はサボらずちゃんと来ていた。
嫌々付き合わされていた俺は千尋と一緒に歩けば、まぁそれは目立つわけで。
案の定、いかにもガラの悪い他校生に絡まれて大きな揉め事になりかけた。
なので今年は出来れば来たくなかったし、去年揉め事を起こさず止めてくれた直也に、今年は文化祭参加するな、と2人で注意を受けた。
まぁでもきっとそれでも千尋は来てるんだろうけど…。
小さくため息をついた所で美沙子の教室の前に着く。
美沙子にはバレないように少しだけ覗いたら帰ろう、そう思っていたのに、
「須藤君…。」
「…美沙子。」
何でこんな時はちゃっかり会ってしまうんだろう。
自分の間の悪さに嫌気がさす。
「文化祭、ちゃんと来てたんだね。」
「うん、今来た所。」
「今って…もうお昼だよ?」
少し困りながら笑う美沙子に少しホッとする。