須藤君は少し考えた後、
「あっそ。じゃ、頑張って。」
そう冷たく言って教室を出て行ってしまった。
…完全に怒ってた。
そりゃ、あんな言い方したら怒るよね…。
でも須藤君の優しさに甘えてたらダメだもん。
文化祭が終わったら、謝ろう、そうしよう……許してくれるかな…?
私の目には自然と涙が浮かんでくる。
はぁ…須藤君ともクラスメイトとも上手くいかないなんて、何やってんだろ…
ダメだ、考えたら涙が出てくるから作業しよ…。
そして、私は見回りの先生が来るまで作業に没頭した。
次の日の放課後から毎日、何故か雨弥と奏羅が残ってくれた。
習い事もあるし、親から帰って来るように言われているはずなのに。
多分、昨日の事を須藤君から聞いたんだろう。
あんなに怒ってたのに…やっぱり、優しいんだよな…須藤君って。
文化祭、頑張って成功させて、須藤君に謝ろう。
そう思いながら私は今まで以上に、文化祭当日まで遅くまで残り、準備を完成させたのだった。