どれくらい集中していたのか分からない。
1人で黙々と作業をしていた時、
「美沙子?」
教室の入り口から急に声を掛けられ、集中していた私はパッと見ると、そこには須藤君の姿があった。
何で此処に…?
きっと文化祭の準備には参加していないだろうから、赤松千尋や一条君とかと第2校舎裏でたまっていたんだろうか…。
「何で1人?」
「え?あー、皆疲れてるみたいだから今日は帰って貰ったの!」
「嘘。」
「…へ?」
「美沙子のクラスの女子、ゲーセンで遊んでたけど?」
半分呆れて言いながら須藤君は私の教室に入って来る。
あの子達…帰らないでゲームセンターに行ってるのかよ…。
疲れたって言うんだったらさっさと帰れよ…。
「…手伝うよ。」
「え!ダメ!」
「…何で?1人で作業してるって事は間に合わないんでしょ?」
「そう…だけど…」
「じゃぁ、いいでしょ。何すればいいの?」
そう言って腕まくりして手伝おうとしてくれる須藤君。
凄く嬉しい、私を助けようとしてくれる須藤君の気持ちは嬉しい。
でも、やっぱり、これじゃダメだよ…
「須藤君、大丈夫だから!」
「…はぁ、大丈夫じゃないでしょ。」
「大丈夫!本当に大丈夫だから!」
「何でそんなに嫌がるわけ。」
「だって…須藤君は、違うクラスでしょ⁉︎」
私の事を助けてくれるのは嬉しい。
でも、須藤君にはやっぱり自分のクラスの事をして欲しい。
ちゃんと自分のクラスで文化祭に参加して欲しい。