「で、美沙子のクラスは。」

「和風喫茶。皆浴衣着て、お団子とか出す予定。」

「浴衣…。美沙子も?」

「そりゃもちろん。」








そう答えると須藤君は、へーと言いながら少し不機嫌なオーラを醸し出す。

な、何だ?これはもしや、私の浴衣姿を他の男に見せたくない…とか?

…なんてね、須藤君がそんな事思うわけないですよねー。









「須藤君だから暫くは一緒に帰れないと思うんだ。」

「…そう。」

「…ごめんね?」

「…うん。」







須藤君は不機嫌オーラそのままで素っ気なく返事をする。

そんな不機嫌にならなくていいじゃん。

私だって須藤君と一緒に居たいけど、実行委員だから残らないわけにはいかないし…。







「…じゃなくて。」

「え?何か言った?」

「…俺と一緒に帰りたくないから、とかじゃなくて?」

「はっ⁉︎違うから!そんな事微塵も思ってないから!」








何故そうなる!そんな思考になる!

てかちょっと須藤君が可愛く見えるんですけど!

これが恋の力ってやつか⁉︎








「私も須藤君と一緒に居たい。でも準備には出ないとダメだから…」

「分かった、じゃぁ文化祭終わったら一緒に帰ろう。」

「うん、それを楽しみに頑張るね。」








私が笑顔でそう言うと、須藤君はいつもの優しい瞳を私に向けた。