あ、でも、今日は文化祭の買い出しで一緒に帰れないし、これからも準備とかで暫くは…
「ごめん、須藤君…。今日は文化祭の買い出しで…」
「じゃぁ、手伝う。」
「え、ダメだよ⁉︎須藤君、うちのクラスじゃないし!」
「…何で?別にいいでしょ。」
少し苛立ちながら言う須藤君。
私に怒る事は無いが、たまに機嫌が悪くなる時がある。
眉間に皺を寄せながら低い声で言われると怖い…。
私が何も言わないのを見て、少しわざとらしくため息をついた後、
「分かった。手伝わない。」
「え?」
「着いて行くだけだったらいいでしょ?」
「う、うん…」
須藤君の提案に少し驚きながら頷くと、少し安心した顔をして、じゃぁ行こ、と言って私の手を取る。
手を繋ぐのは初めてじゃないけど、何ていうか、こうゆう青春っぽいのは恥ずかしい…!
私は顔を赤らめながら少し俯きながら須藤君の横を歩く。
「で、何処に行くの?」
「えっと、まずは100均かな。」
私の答えを聞いてフッと微笑みながら、了解、と言った。
前よりも色んな表情を見せてくれるようになった須藤君。
まぁ相変わらずマスクはしているが、それでも私は分かるから嬉しい。