「じゃぁ、今日から本格的に文化祭の準備始まるからなー!」
須藤君と想いが通じて1週間も経たないうちに慌しく次のイベントを迎えようとしていた。
HRで担任がそうクラスの皆言い、じゃぁ解散ーと告げるとザワザワと皆帰る支度をする。
私も早く帰る用意して行かなくては…!
実は私、文化祭実行委員なのです。
2年になって初めてのHRに決めた事だが、何でこんな面倒くさい委員に立候補したんだろう、と後悔しても今となっては遅い。
「美沙子、買い出しだっけ?」
「うん、まだ足りない物あるから買いに行かないとダメで。」
「雨弥達も手伝おうか?」
「ううん、大丈夫。雨弥と奏羅、習い事あるでしょ?」
そう聞くと2人は心配そうに、そうだけど…、と声を揃えながら言った。
2人が同じ表情をしてるのが面白くて笑いながら私は、ありがとね、と伝えて足早に教室を出た。
下駄箱で靴を履き替えていると携帯が震える。
画面を見てみると須藤君からの着信が表示されていた。
「も、もしもし⁉︎」
「もしもし美沙子?今どこ?」
「え?下駄箱…だけど。」
「ん、分かった。待ってて。」
そう言ってブチっと切られる。
私は何だったんだ?と真っ暗になった携帯の画面を見ながら首を傾げる。
急いでるんだけどな…、でもちょっとでいいから須藤君に会いたい…
「美沙子。」
「あ、須藤君…どうしたの?」
「いや、これからは出来るだけ一緒に帰ろうと思って。」
な、何ですと…⁉︎
きっと赤松千尋とかとの付き合いがあるのに、私と一緒に帰ってくれるなんて…!
私は今物凄く感動している!
あの赤松千尋より私を優先してくれるなんて!
前も付き合ってはいたけど、今は本当に付き合ってるって感じだ。