「今までと一緒とは言わないから、私の事避けないで…須藤君と喋りたいよ、会いたいよ…。」
「…美沙子。」
「素顔とか本当にどうでもいい!好きなの!須藤君の事が好きだか」
必死に伝えたい言葉は彼の口で唇を塞がれ最後まで言えなかった。
ボロボロと涙を出していた目を私は見開く。
唇が離れた後、すぐに彼の腕の中に収まる。
「ありがとう、美沙子。俺も…」
「…え?」
「俺も、美沙子の事が好きだよ。」
耳元で愛おしい声が私に言う。
初めて、須藤君に好きだと言ってもらえた。
一瞬止まっていた涙が再び溢れ出す。
包まれていた温もりが離れていき、須藤君と向かい合う。
「…泣き過ぎ。」
「だってぇ…!」
「うん、ごめん俺のせい。此処まで会いに来てくれてありがとう。」
そう言って微笑む須藤君。
…あれ、私さっき須藤君と…キ、キスしちゃったよね…⁉︎
え、でも、須藤君さっきと変わらずマスクしてるけど!
あれ…?あたしの勘違い…⁉︎