「ごめんね、怖かったよね。」
「い…い、いえ…」
「僕は一条 直也(いちじょう なおや)、よろしくね。」
にこっと優しく笑った一条君は全くと言っていい程、不良という言葉が似合わない。
本当にこの2人と仲が良いのだろうか…
「小鳥遊さん、俺の彼女。」
「えっ、彼方の…?へー…」
またもやサラッと私の事を紹介する彼はいつも通りの声色と瞳に戻っている。
彼の言葉を聞いて、一条君は私の事を物珍しそうに見て笑っていた。
はっ!か、囲まれている…!
まさか、本当に殴られるんじゃ…!
「まぁ、こんな所じゃなんだし、もう少し奥に行こうか。」
「うん、小鳥遊さんも行こ。」
そう言って3人はスタスタと歩いて行く。
もう少し奥に…?…終わった、確実に殺られる。
しかしここで逃げてもすぐに捕まえられてしまう。
大人しくついて行くしか私には道がないのだ…泣きそう…。