「おー!すげぇね、美沙子ちゃん!」
「本当に勝った…。」
「千尋、ちゃんと約束守りなよ?」
広田君と奏羅が感心している中、一条君は微笑みながら赤松千尋に促す。
それが気にくわないのか、また舌打ちをする。
そして何故か立ち上がる赤松千尋。
えっ⁉︎もしかして逃げようとしてないよね⁉︎
ちゃんと約束は守ってもらわないと!
「す、須藤君の、居場所は…!」
「あ゛?」
「約束は守るって…!」
「うっせーな、さっさと立て。」
睨まれながら言われて、私は不思議に思いながら立ち上がる。
それを見て赤松千尋はスタスタと歩き出す。
え?え?これは、どうしたら…
「何ボーッと突っ立ってんだ。行くぞ。」
「え?今から?いや、でも授業が…」
「はぁ?彼方と授業どっちが大事なんだよ、馬鹿が。」
…一言余計じゃありませんかね⁉︎
私はイラッとしながらも、今彼の機嫌を損なってはダメだと思い怒りを抑える。
「雨弥、奏羅。ごめん、行ってくる。」
「…うん、いってきな。」
「美沙子ちゃん、頑張って!」
私は雨弥と奏羅に笑顔で、行ってきますと言って赤松千尋の後ろを急いでついて行く。
須藤君にやっと会えるんだ--。