赤松千尋は大きくため息をついた後、






「分かった。いいぜ。」

「え…本当⁉︎」

「お前が勝ったら彼方の居場所を教える、でもお前が負けたら?」

「…一生、須藤君には近づかない。」








これくらいしなければ彼は私の話に乗ってこない。

私を真っ直ぐ見て少し考えた彼は、分かったと小さな声で了承した。

よし、第一関門突破!







「美沙子ちゃん、大丈夫なの…?」

「雨弥、助けてくれてありがとう。大丈夫だから。」







心配そうな顔をしながら言う雨弥に、安心してという風に伝える。

雨弥はまだ心配そうな顔をしながらだったが、分かったと呟く。

その言葉を聞いて私は赤松千尋と向かい合って座り、用意していたトランプを出す。







「ねぇ、折角だしおれ達もさ」

「はっ⁉︎空気読めよ、キモ男!」

「うん、真純、さすがにそれは無い。」

「じょ、冗談じゃん…」








そんな会話を後ろでされながらも私はトランプを切って配っていく。

2人だからどっちがどのカードを、ジョーカーを持っているかなんて丸分かりだ。

でも、それでもこのゲームじゃなきゃダメなんだ。








「約束は守れよ。」

「…そっちこそ。」







手持ちの対になっているカードを全て抜き終わった後、赤松千尋は私に再確認をする。

そんな彼に私は真っ直ぐと彼を見て言った。

絶対、絶対に勝つんだ…!