「千尋ー、女の子にも暴力はやめなよー。」
「さすがに女の子にまで暴力で解決するってのはやめた方がいいね。」
「真純…直也…」
赤松千尋は注意をする広田君と一条君を睨みつける。
が、2人は呆れた目で彼を見て怯える様子は全くない。
やっぱり普段から絡んでいて慣れているんだろうか…。
「彼方に言われてるだろ、小鳥遊さんには手を出すなって。」
「こいつから話しかけてきたんだ、殴ってもいいだろ。」
はいっ⁉︎何と⁉︎
何、この人、自分に話しかけて来た奴は全員殴っても問題無いと思ってるの⁉︎
馬鹿なの⁉︎馬鹿じゃないの⁉︎
まぁ、そんな事思ってても殴られるだけなので絶対口には出さないが。
とりあえず、今ちょっと大人しくなったから、チャンス…!
「私と、勝負して…!」
「はぁ?」
私は一歩踏み出して赤松千尋に言う。
須藤君の居場所を簡単には教えてくれないと思ってた。
だから、私は考えて来ていたのだ!
勝負に勝ったら須藤君の居場所を教えてもらう!
「いいぜ、殴り合」
「トランプで!」
「…は?」
「私とババ抜きをして、私が勝ったら須藤君の居場所を教えて。」
私は赤松千尋の提案を素早く却下して、勝負の内容と条件を持ち出す。
ババ抜き、これは須藤君と関わる事になった始まりのゲーム。
このゲームで取り戻すんだ。