「いいから!何っ⁉︎」
「…千尋なら、多分知ってると思うんだよね。」
赤松…千尋…。
やっぱりそこか、あの男に頼るしかないのか。
確かに最終手段はそうしようと思ったが、出来ればあの男には関わりたくない。
でも…広田君も一条君も頼れないとなると、奴しかいない…
これは、腹をくくるしか…。
「…赤松君は何処にいるの?」
「千尋なら今日珍しく学校に来てたけどーって、え?もしかして…」
「分かった、ありがとう。」
そう言って私が行こうとすると、広田君の焦った声が後ろからする。
「え、美沙子ちゃん待って。それはやめといた方が…」
「大丈夫だから。」
「いや大丈夫じゃないと思うよ⁉︎絶対殴られるって。」
「須藤君に会えるなら!1発くらいなら殴られてもいい。」
そう言えば広田君は諦めたかのように、分かった、と小さく呟いた。
私はそれを見て、その場から離れて第2校舎裏に向かう。
きっと学校に来てるならあの場所に居るはず。
第2校舎裏の外付け階段、もしかしたら私の墓場になるかもしれない…
そんな事を思いながら少し涙目になって第2校舎裏につく。
誰にも会わないようにキョロキョロと辺りを見回しながら外付け階段に近付く。
…もう学校に居なかったらどうしよう…
そう思ったが物陰から覗いてみると横になっている赤松千尋が居た。
周りには誰も居ない!今がチャンス!
「あ、赤松君!」
「あぁ゛?…お前…」
「あ…えっと、あの…」
「何だよ。何しに来たんだよ?」
横になっていた赤松千尋は立ち上がってふらふらと私に近づいて来る。
元々人相の悪い顔が眉間に皺を寄せていて、一層人相の悪い赤松千尋。
そんな彼に怯みながらも私は頑張って声を出す。
「す、須藤君の居場所を教えて欲しいの!」
「は?」
「…教えてください、お願いします。」
人相の悪い顔が私の事をジッと見る。