奏羅と何事も無かったかのように雨弥の元に戻って来た。







「2人とも遅かったねー。」

「ごめんごめん、どれにするか迷っちゃってさ!」

「そうなんだ、もうすぐしたら二人三脚リレーだから準備するようにって。」







もうすぐでリレーなのか…て、茜君と会うのか…!

どうしよう…絶対顔に出る!








「「2年生のクラス対抗二人三脚リレーを行います、2年生は所定の位置についてください。」」








放送が流れ、周りがゾロゾロと動き始める。

…茜君に会う心の準備がまだ…!

どうしようとあたふたしていると奏羅に、何してるの行くよ、と冷たい目で言われた。

…本人があんな普通にしてるのに私があたふたするなんて馬鹿馬鹿しくなってくるわ!

もういいや、そう思い私がスタートする位置に行くと茜君はもうすでに準備をしていた。








「あ、小鳥遊さん、遅いよー!」

「ごめん!」

「はい、足出して。結ぶから。」







そう言って爽やかに笑う茜君。

本当にさっきの茜君だよね…何でこんな平気な顔なんだろ…。