な、な、な、殴られる…!

身構えていると、ピタッと私の前で立ち止まる。







「てめぇの言ってた半端じゃない気持ちってこんなもんだったのかよ。」

「……」

「はっ、大したことねぇなぁ?」







彼は私を見下した形で大きな声を出して言う。

何か言い返したい、でも、彼の言ってる事は分かる。

あれだけ言い切ったのに、こんなすぐに別れて、本当に情けない。

私が何も言い返せず俯いていると、上から大きなため息が聞こえる。

ため息の方向を見てみると、赤松千尋は私を真っ直ぐに見下ろして、








「もう彼方に一生近付くんじゃねぇぞ。」







そう言って私の横を通り過ぎて行った。

殴られなかった…のは良かったけど…。

むかつく…何であの人に近付くなとか言われないといけないの…

でも、須藤君は私の事を避けている、つまり、私に会いたくないんだよね…。

じゃぁ、やっぱり赤松千尋が言った通り、もう一生近付かないほうがいいのかな?

そんな事を考えていると自然に涙目になる。

駄目だ…こんな所で泣くなんて…。

私は急いで水道に行き、顔を洗う。

はぁ…自販機に行こう…。

私は重い足を自販機に向けて歩き始めた。