と、とと、隣⁉︎ちちち近いよ!
私の左隣に須藤君が座った為、私の左腕は物凄い熱が帯びてくる。
「オレンジジュース好き?」
「う、うん!好き!」
「そう、良かった。」
そう言って須藤君は微笑む。
いや、まぁ、マスクをしてるから本当に微笑んでるかは分からないけども。
でも何ていうか、最近はマスクの下の表情も分かってきた気がする。
最初は本当に何を考えてるか分からなかったのにな…。
「夏休みは、ごめん。」
「え?」
「あの後、連絡しかしなくて。ずっと千尋が家に居たから。」
「え、赤松…君が?」
「うん。千尋、幼馴染なんだよ。」
…へっ、幼馴染…。
そ、そうだったんだ、全然知らなかった。
て言うか、じゃぁ幼馴染の彼女殴ろうとする⁉︎
「ちゃんと怒っておいたから。」
「あ、ありがとう…」
「怖い思いさせてごめん。」
そう言いながら私を真っ直ぐ見る須藤君は私の左頬を掌で包む。