私は自転車置き場で大きく深呼吸をし、自転車を押して須藤君の元に戻る。
「ごめんね、お待たせ!」
「ん。」
そう言って須藤君は私の自転車のハンドルを持って私の自転車を押す。
…ほら、こうゆうさり気ない優しさがズルいんだよなぁ…。
そう思いながら先を歩いている須藤君を追いかけて自転車を挟んで隣に並ぶ。
時々会話をしながら、学校から歩いて行ける距離にある須藤君の家に着いた。
「ん、どうぞ。」
「…お邪魔します…。」
「俺の部屋分かるよね?」
「え、あ、うん。」
「じゃぁ、先部屋に行ってて。」
玄関のドアを閉めた後、須藤君は靴を脱いで自分の部屋とは別の部屋に入って行った。
そんな須藤君の後ろ姿を見送った後、私は靴を脱いで恐る恐る家に上がって、須藤君の部屋に向かう。
部屋の前に着き、ゆっくりとドアを開ける。
前来た時より少し片付いている印象の部屋。
もしかして、私を呼ぶ為に片付けてくれた…?
「何突っ立ってんの?」
「はひっ!」
「…ふっ、いいから入りなよ。」
少し鼻で笑った後、手元にジュースの入ったコップを持ちながら言う須藤君。
私は少し恥ずかしくなり、せかせかと部屋に入る。
…部屋に入ったものの、こうゆう場合って何処に座れば良いの⁉︎
私はテンパりながらもローテーブルの近くに三角座りをして床に座る。
それを見た須藤君は、ジュースをテーブルに置いた後、私の隣に座った。