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放課後、私はドキドキしながら下駄箱にいた。

ど、どうしよう…朝の決意を思い出してみれば結構会うのが恥ずかしい…。

それに会うの久々だし…。







「美沙子。」







後ろから私の名前を呼ぶのは、少し低めの透き通った声。

振り返らなくても分かる、須藤君の声。







「ひ、久しぶりだね!」

「うん、じゃぁ行こっか。」







そう言って歩き出す須藤君に小走りで隣に行き並んで歩く。

するとすれ違う人はこちらをチラチラ見て何かひそひそと話している。

そうだ…よくよく考えてみればこうやって一緒に帰るのって初めてなんだ。

私と須藤君が付き合ってるという噂は耳にしてる人は多いだろうが、こうやって一緒にいる所を見るのは基本的に珍しいはず。

そりゃ、ひそひそ話したくなるよね…。

私は周りを気にしまいと須藤君に話しかける。






「須藤君、何処に行くの?」

「ん?ああ、俺ん家。」







…え?

え、え?い、今、俺ん家って言ったよね⁉︎

何で、須藤君の家⁉︎

いや、この間お家にお邪魔した事はしたけど、あれはもう無理矢理だったし。

どどどどどどうしよう!

多分前の話からいくときっと両親は共働きだからお家に居ないよね…?

なのに家に呼ぶって…え、えっと…

って何変な事考えてるの、私!







「ご、ごめん須藤君!自転車取って来ていい⁉︎」

「ああ、美沙子自転車で来てるんだっけ。」

「うん!すぐ取ってくるね!」







絶対真っ赤になっているだろう顔を冷やす為、私は自転車置き場に小走りで行った。