いや、確かに私と須藤君は付き合ってる。

でも何でこんなに、両想いという言葉にしっくりこないんだろうか。

…ああ、そうか。

私、まだ須藤君に好きって伝えてないや。

そして、私…一回も須藤君に好きって言ってもらった事ないんだ!

そう言えば何だかんだうやむやになってたけど、好きだって気付く前に須藤君と広田君がしてた会話…。

まだ一切何も確かめてない…!

あれ?それにあの日確か須藤君に話があるって連絡来てなかったっけ?無視してたけど。

…やばい、1人で好きだとか舞い上がって、これが本当に雨弥か奏羅狙いだったりしたら…

いや、ありえないんだけどね!

広田君じゃあるまいし、須藤君に限って!とは思うけど、やっぱり…不安で。








「ねぇ、何で両想いだと思ったの?」

「何でって、須藤が美沙子の事愛おしそうな目で見てたし。」

「美沙子ちゃんは顔に出やすいしね!」







そ、そうだったのか…。

私ってそんなに顔に出やすいのか…。

ってか、愛おしそうな目って⁉︎何っ⁉︎

そんな目をしてた事あったっけ…⁉︎

私が眉間に皺を寄せて何を考えているのかお見通しの奏羅に、








「ほら、倉庫で助けてもらって抱き合ってた時。」

「なっ!あ、あれは…!」







奏羅に言われあたしはあの時の事を思い出して顔に火がついたように真っ赤になる。