[俺達の教室に来て。]



放課後、携帯を見てみれば相変わらずのシンプルなメッセージが来ていた。

しかし雨弥にこのメッセージを見られてしまい、行かないと言った私を強制連行した。

そして現在、私は彼の教室にいる。








「会いたかったー、奏羅ちゃーん、雨弥ちゃーん。」

「キモい!近寄んな!」

「よろしくお願いします。」

「うん、よろしくね。」







奏羅と広田君は早速言い合いしてるし、雨弥は丁寧に一条君に挨拶してるし。

何なんだこの図は。何なんだ、このカオスな状態は!

そんな事を思っていると、美沙子、と呼ぶ声がして見てみれば静かに座っている彼が手招きをしている姿が目に映る。

もういいや…と私はため息をついて彼の元に向かうと彼の隣に座るよう誘導された。







「じゃぁ、始めようか。間宮さんと小鳥遊さん、分からない事あったら聞いてね。」






そう言って彼とは反対側の私の隣に座った一条君。

本当に…勉強するんだ…。

私は少し呆気にとられたもののすぐに我に返って自分の勉強道具を出す。

しかしこの教室、広田君がいなければ凄い静かだな…誰も居ないし。

…あれ、放課後とはいえ何で教室に誰1人残ってないんだ。

テスト1週間前の為、部活動が禁止なので少しくらい残っててもおかしくな…

ああ、そりゃそうか。

この不良グループが教室に居れば誰も残ろうと思わないか…。

それに加え、雨弥奏羅の間宮姉妹もいるとなれば誰も関わろうなんて思うわけがない。

本当、考えれば考える程なぜ私はこの面子の中にいるんだろう…