「いや、雨弥?何言ってるの?」
「雨弥も美沙子ちゃんと一緒に勉強したいもん。」
可愛い。めちゃくちゃ可愛い。
一緒に勉強したいもん、なんてこんな可愛い笑顔で言われたら普段なら断らない。
しかし、今回は違うから!
このガラの悪い野郎達に囲まれて勉強するんだよ⁉︎
絶対ダメだから!危ないから!
特にあの広田っていう男は1番危険だから、わざわざ近づけさせるわけにはいかない!
そんな事を思っているのをよそに、
「分かった、直也に言っておく。」
「え、待っ」
「何で雨弥も行く事になってるの⁉︎じゃぁ、わたしも行く。」
「えっ⁉︎奏羅⁉︎」
え⁉︎何で?ここは普通雨弥を止める所だよね⁉︎
何で止めるどころか奏羅まで参加する方向で話を進めるの⁉︎
心の中で突っ込んでいる私なんてお構いなしで彼は2人に、分かった、と落ち着いた声で返事をする。
いやいやいや待て、私は一言も行く、なんて言ってないし、この2人を連れて行くわけにはいかないから!
「奏羅ちゃんも来るの?やっぱりおれと勉強したか」
「うるさい、キモいんだよ。」
「…素直じゃないんだからー。」
なんて奏羅と広田君がくだらない言い合いをしていると予鈴が鳴ってしまい、行かないと言えないまま私達は別れた。
…どうすんの、これ…。