「最低…って思うかもしれないけどさ…」
「…?」
「元カノの事は好きで付き合ったわけじゃなくてさ。」
…ん?好きで付き合ったわけじゃない…てどういう事だ?
…はっ!もしかして、私達みたいな始まり方…⁉︎
「高校入ってすぐ他校の全く知らない女子に告白されて、流れで付き合ったっていうか…」
「流れで…。」
「うん。それで好きでもないのに一週間で抱いた。」
つまり、ノリで付き合った好きでもない他校の女子に私は…負けている…と。
何てことだ、好きでもなかった女に負けるなんて…、いや勝ち負けの話ではないんだろうけど。
私にだって一応プライドというものが…。
「引いた?最低な男でしょ?」
「そんなに…魅力的な女性だったのでしょうか…」
「え?いや、そうじゃなくて」
「だって!好きでもなかったのに一週間で…じゃぁ、私は…」
「美沙子は、大事だから!大事にしたいから…!」
真っ直ぐに見つめられながら、ギュッと須藤君に手を握られる。
大事に…私の事を…。
「美沙子の事が好きだから、簡単に手出せなかった。」
「そ、うだったんだ。それを勝手に勘違いしてたんだね私。」
「御免、俺が言わなかったから不安にさせた。」
私はその言葉にふるふると首を横に振る。