ピタッと手が止まり、キャミソールの下から手を抜き唇を首元から離し、私の顔を見る須藤君。

一瞬にして須藤君の瞳は冷たいものから泣きそうなものになる。

勢いよく私の上から退いた須藤君は私を起こしてギュッと強く抱き締める。












「…すど…くん」

「御免、本当に御免。美沙子。」

「…うぅ…すど…くん。」













怖かった事と、やっと喋ってくれた事と、もう怒ってない事と、安心した事から私の目からは涙がもっと流れる。

怖かった、いつも私の事を見てくれるあの瞳じゃない事が。

何も言葉を交わさないまま、須藤君が怒ったまま1つになる事が嫌だった。

こんな形で須藤君と結ばれる事なんて望んでなかった。












「本当に御免。本当に…俺…」

「うぅん…私こそ…御免なさい…」

「何で美沙子が謝るの。」

「だって…怒らせたから…」

「それは…俺が勝手に怒っただけだから。御免。」











抱き締める力を弱め、向かい合う形になり、泣きそうな顔で謝られる。

私が須藤君にこんな顔をさせてしまったんだ…。

そう思うとまた泣きそうになった時、もう1度抱き締められる。












「お願い。泣かないで。」

「だって須藤君が泣きそうなんだもん…」

「美沙子を泣かしたから…俺最低だよな、って。」











本当に御免、と先程から何回も何回も謝る須藤君。

怖いなんて気持ちはもう何処かに消え、少し微笑みながら、大丈夫だよ、と伝えるとまた向かい合う形になる。

ジッと私の顔を見つめた後、須藤君は私の目元に指を添わせ涙を拭う。

愛おしいそうに見つめる瞳…。

そう、この瞳が私は好きなんだ。

そんな事を思っているとチュっと軽くキスをされる。