お昼を食べ終え、次の授業が移動教室なので教科書などを持って3人で廊下を歩いていると後ろから大きな声で私を呼ぶ声がする。
「あれー?美沙子ちゃーん!」
「げっ…広田君…。」
「久しぶりだねぇ。あれ美沙子ちゃんって間宮姉妹と仲良かったの⁉︎」
大きな声で手を振りながら近づいてくる広田君。
やめろ、やめてくれ…此処は廊下だぞ…。
君の声に反応して周りの人が私達が注目を浴びているじゃないか!
そんな事を思いながらキッと広田君を睨んだが私の事は全く眼中に無く、雨弥と奏羅に話しかけている。
この女好きめぇ…!
そりゃぁ、私みたいな女より2人みたいな可愛い女の子と喋りたいのは分かるが、私の名前を呼んでこんなに注目を浴びてるんだぞ!
「移動教室?」
「あ…須藤君。うん、須藤君は…」
「体育。」
ですよね、体操服着てますもんね。
ちゃんと授業出るんだ…意外だな。
と言うよりももっと気になるのは、体操服に黒マスクという格好。
違和感丸出しなのに何故こんなにも様になっているんだ、この人…。
てか体育にマスクって邪魔じゃない?邪魔だよね⁉︎
言おうか迷って彼をチラチラ見ていると、それに気付いたのか私を不思議そうに見てくる。
チキンな私は視線を反らし、もちろん、言えませんでした。