「で?で?」

「言うわけないでしょ!」








言うわけっていうか、言える事なんて何も無いし!

良い雰囲気にはなった事あるけど、あの家での事以来何も無いし…。

て言うか!キスですらまだ1回しかした事ないのに!

そんな先の事なんて…!









「いいじゃん、教えてよー。」

「教えません。」

「何でー?減るもんじゃないしさー!」









そう言ってじりじりとこちらに寄ってくる広田君。

にやにやして物凄く腹の立つ顔だ。










「真純、小鳥遊さん困ってるから。」

「ナオだって気になるっしょ?」

「気になるけど、小鳥遊さんから聞き出すのは」

「ほらぁ、ナオだって気になってんじゃん。」









あぁ、もう!煩いなぁ!もうどうにでもなれ!









「してないからっ!」

「「…え?」」










私が少し大きめの声を出した後、2人の間抜けな声が重なり沈黙が訪れる。

そして少しの沈黙を破ったのは一条君だった。









「え?ごめん…1度も…?」

「…うん。」









恐る恐るといった感じで聞いてきた一条君の質問に小さく答えると、まじか…と驚きの声を上げる一条君。