10分後。
連絡の返事は来ないし、須藤君が姿を現す気配もなく、ただただ私の前を通って行く人達がジロジロと私を見て通り過ぎて行く。
須藤君、いつもこんな見られてる中私の事待っててくれたのかな…申し訳ない…
私は諦めて帰ろうとした時、
「あれ、小鳥遊さん?」
「…一条君。」
「彼方は?一緒じゃないの?」
「あー、何か連絡取れなくて…一条君何か聞いてない?」
「御免、何も聞いてないねぇ。」
私は少し期待をして聞いてみたがどうやら外れだったみたいで、そっか…と返した後、じゃぁ、と言って帰ろうとしたが、
「校舎裏は?行ってみた?」
「いや…行ってない…」
「あ、そうなの?僕今から行くけど、一緒に行く?」
「え?あ、あー…。」
校舎裏に居るのかなって言うのは、さっきまで考えてた事は考えてた。
でもさっきの女の子達がまだ居て、遭遇したくないなって気持ちと、もしそこに須藤君が居たらどうしようって不安。
そして後、赤松千尋が居たら絶対に顔を合わせたくないって言うのが正直1番だ。
「行ってみないと分からないし、行こっか。」
「あー、あの…赤松千尋は…」
「千尋?ああ、今日は来てないよ。」
「そうなんだ!」
パァっと嬉しそうに言った私の顔を見て一条君は苦笑いをしながら、何か御免ね、と言った。
そんな!一条君が謝る事じゃないのに!
て言うか赤松千尋に1回も謝ってもらった事がないのに!
一条君に謝らせてしまった…赤松千尋め…!
そう心の中で赤松千尋への悪態をつきながら一条君と第2校舎裏に向かった。