下駄箱でそそくさと履き替えた私は、その場から早く立ち去りたいと言う一心で校門まで早足で歩く。
校門を出た後、
「どうしたの、美沙子。」
「え、いや…何もないよ。」
ふーん、と言いながら須藤君はこちらを横目で見る。
多分私が思ってる事なんとなく分かってるんだろうな…。
「最近…年下にモテてるんだってね…」
「誰に聞いたの?真純?」
「うん…。」
「…やきもち妬いた?」
「え?いや、やきもちって言うか、そんなんじゃなくて、何て言うのかな」
「そう。やきもち妬かないんだ。」
少し拗ねた声でそう言う須藤君。
…え?これは、やきもちを妬く所だったのか!
ど、どうしよう⁉︎この場合は何て言えば…!
「まぁ妬く必要無いか。」
「へ?」
「美沙子以外どうでもいいし。」
一切照れもせず、どちらかというと少し気怠げにサラッと爆弾を投下する。
て、照れる…言った本人よりも私のが照れてるぞ…。
「だから、真純に何言われても気にしなくていいから。」
「ああ…うん。」
「第一、真純の話なんて真面目に聞かなくていい。」
…いや、友達としてそんな事を言っていいのかい…。
まぁでも、須藤君がこう言ってくれてるわけだし…何も気にする事無いよね。