「す、須藤君…⁉︎」

「…ごめん、嫌?」

「嫌…とかじゃなくて、その…」









顔をさっきよりも真っ赤にして涙目でもごもご言う美沙子。

あー、もう無理だ。我慢の限界。

左手で美沙子の腰を抱きながら、段々と行為をエスカレートさせる反対の手。

スカートの中に手を入れると、美沙子はギュッと目を瞑る。

…ああ、このまま押し倒し





ーーガチャッ






「ただいまー。」










美沙子は固く瞑っていた目をバッと開ける。

玄関の方向から聞こえる声の主はきっと美沙子の母親。

…タイミングが良過ぎる。

俺はため息をついた後、ごめんと美沙子に謝る。









「う、ううん…あ!私お母さんに須藤君来てるって伝えて来るね!」

「ああ、なら俺も行く。」

「え、ああ!そうだね!」









はははと真っ赤な顔でテンパりながら笑う美沙子。

やっぱ、まだ早かったかな…。

俺は下に降りようとする美沙子の後ろ姿を見て後悔する。

正直、元彼の話を聞いた時仲が良さそうに映っている写真よりも嫉妬したのが、今みたいな表情をした美沙子の事を俺よりも知ってるのだろうか。

そう思うと嫌で不安で仕方がなかった。

大事にしようと思ってたのに、怖がらせた。

俺は美沙子に気付かれないように小さくため息をついた。