「あ、居た。」







5組と大きく書かれたページに、今より少し幼い美沙子の写真が載っていた。

化粧もしていなく無邪気に笑う美沙子。

俺はジーっとその写真を見ていると、隣から腕が伸びてきてページをめくられる。








「…見過ぎだから…」

「何で?いいじゃん。」









そう言いながら俺は5組のページに戻ろうとすると横から制止される。

美沙子は顔を少し赤くしながら、恥ずかしいから、と次々とページを捲っていく。

…恥ずかしがる事なんて何もないのに。

俺はそう思いながら先程のページは諦めて違うページを見ていく。

と、あるページで俺は手が止まる。

修学旅行のページで色んな人が笑顔でピースしている。

その中で俺の目にとまったのは、男女2人が仲良く映っている写真。









「これ、誰。」

「え?どれ?あ…あー、それは…」

「誰?」









俺は仲良く美沙子とツーショットで映っている男を指差す。

その写真を見て美沙子は苦笑いしながら視線を彷徨わせる。

まぁ、この反応を見るとなんとなく予想はつくけど絶対俺からは言わない。