「いきなり何ですか…危ない。」
「お前、姉の方か。」
「え、何で分かって…」
「俺様の拳を受け止める女が2人もいてたまるか。」
そう言いながら拳を引く赤松君。
ああ…顔とかではなく、そんな所で判断するんだ…。
「こんな所に何か用かよ。」
「あ、奏羅…えっと、妹見てませんか?」
「前から思ってたけど、お前敬語なんだよ。」
…自分から質問しておいてそれに対する答えの反応は無し…。
本当によく分からない人。
「基本的に男の人と仲良しじゃない人に対しては敬語です。」
「…あっそ。」
「赤松君こそ、女の子に厳しくありませんか?殴りかかったり。」
美沙子ちゃんを殴ろうとした事は、はっきり言って今も許してはいない。
女の子を守るべき男の人が、女の子を傷つけようとするなんて…
今だって、雨弥じゃなければ確実に殴られていた。
「弱い奴が嫌いなだけだ。」
「女の子は弱いものですよ。」
「だから嫌いなんだよ。守られるばっかで自分で戦おうとしない。」
ああ…そうか、だから美沙子ちゃんとの勝負受けたんだ。
ちゃんと戦う子だって分かったから、須藤君の居場所も教えてくれたんだ、この人は。
案外、悪い人ではないのかもしれない…。