「おまちどうさん。」
先程のおじさんがうどんとやらを持ってきた
「うぉ!待ってました!」
「……これが、うどん…。」
初めて見るうどんに少し興味が湧いた
「なんや、嬢ちゃんうどん食べたことあらへんのか?」
「……。」
おじさんの言葉に深く頷く
「それは損しとんなぁ。ほら、食いな。今日はお嬢ちゃんの分はただにまけといてやるから。な?ほら、食うてみい。」
「…いただきます。」
おじさんの言葉に従って私は箸を持ってうどんを口に入れた
「…美味しい。」
「そうやろ?わしのイチオシのうどんやからなぁ。ほら、たくさん食え。」
私は一口食べてはすぐに一口食べ、また一口と夢中になって食べた
気づけば丼物はもう空になっていた
「…ごちそう様でした。」
「美味かったやろ?」
「はい。…この味好きですよ。」
「そうやろ?わしの秘伝の出汁や。お嬢ちゃんには分からんやろ。」
「いや、分かりますよ。この出汁…?は何処かで食べたことのある味…ですから。…コレは魚とお揚げ…ですよね?」
「…お嬢ちゃん凄いなぁ。」
「え?俺の嫌いなお揚げが入ってんのか?」
「ん?なんや、兄ちゃん揚げが嫌いやったんか?」
永倉さんを見ると心底驚いた顔してた
「嫌いは嫌いだぜ。でも、揚げの味が全くしないなんてな…凄いな。」
「せやろ。そういえばお嬢ちゃん、この魚と揚げを食べたことあるゆうてたな。この魚と揚げは普通は売ってはおらへんのに…。」
「多分ですよ…。」