「月子、おはよう。」
「あ、おはようございます。永倉さん、いつもありがとうございます。」
「だから、お礼はいいんだってば。ほら、皆にバレたら面倒だからさっさと部屋の中に入れ。」
記憶も何もない私がここに来て早一ヶ月
冬のような寒さも終わり春のような暖かい季節へと変わっていった今日の日
私は他の人に見つかるといけないらしく日中はずっと山南さんの部屋か永倉さんの部屋で過ごしてる
部屋の中で一人で過しても暇でいけないからといって、山南さんと永倉さんは空いている時間は私といてくれる
時々土方さんが来てくれるけど土方さんはすぐに睨むから一緒にいたくない
…内緒だけど
それに永倉さんに沖田さんを紹介された
…沖田さんもあんまり好きじゃない
「さて、何しようか。」
「そうですね…。」
やる事が特になくて頭を捻らせていると永倉さんが静かに口を開いた
「お前、さ。」
「はい、なんですか?」
「何も食べなくて大丈夫なのか?いい加減食べないと体に悪い。」
考えてみればこの一ヶ月何も口にしてない
いや、口にしなかった
「そうですね、今日食べてみます。」
「そうか。なら、夜に外に食べに行こうか。たっぷり食べさせてやるからな。」
「外で食べてもいいんですか?」
「あぁ、いいんだ。土方さんはゆるしてくれるだろ。それに、お前は一度も外に出てないだろ?」
「…はい。」
「大丈夫だ。なるべくここから近いところで食べよう。な?」
「はい、楽しみにしてます。」
私が言うと永倉さんは嬉しそうに笑った