大丈夫かな…




なんて思いながら月子を眺めていた




「永倉さん?何か私、変ですか?」




「いや、変じゃない。さ、俺はお前の夕餉を取りに行こうかな。お腹空いたろ?」




「あの…。」




「ん?どうした?」




「私、不思議とお腹空いてないんです。寧ろ、何も口にしたくないんです。ごめんなさい。」




月子は申し訳なさそうに俺に頭を下げた



「顔上げろ、月子。」




「お前は多分混乱してて食べ物を受け入れないだけだと思う。だから、そんな謝ることはない。お腹空いたら俺らに遠慮なくいうといい。な?」




「はい…!」



月子は頭を上げて安心したように笑う



「…(あー…、ほんとに可愛い…。食っちまいたいくらいだ…)。」




俺一人理性と戦っていると山南さんに声をかけられた



「僕は後で行きますから、永倉君は先に行ってきていいですよ。」



「…月子に変なことするなよ。」



山南さんしか聞こえないくらいの小さな声で忠告をする



「しませんよ。恋沙汰には興味ないって言いましたよね?」



「確認だ、確認。さ、俺は行ってくるな。山南さんは暫くの間体調があまり優れないってことにしとくからな。」



「はい、わかりましたよ。」




山南さんが頷いたのを再度確認すると今度こそ部屋を出た




夕餉を食べるため大広間に行く途中自分がまだあの刀を持ってることに気が付いた




けど部屋に戻って刀を戻すのも面倒だったためそのまま大広間ヘと向かった




(何か聞かれたら新しい刀だと伝えるか。斎藤にもそう言ってあるしな…。)




皆が納得いくような言い訳を考えると大広間へと向かう足取りは重くなる




けどこれからの生活を考えると思わず口角が上がった