全てを話し終えた頃には日は完全に暮れていた
甘味処を後にした俺達は屯所への道を歩いていた
「これが例の刀なんですね。」
「あぁ。少し持ってみろ、貸してやるから。」
総司にその刀を渡した
総司はその刀を持ったかと思うと頭を急に抑え始めた
「どうした?!」
「うっ……」
「総司!」
俺は慌てて刀を総司から離した
すると総司は頭が痛いのが治ったらしい
「この刀…なんか嫌な感じがします。」
顔を真っ青にして総司は言った
「実は僕少しだけですけど、霊感があるんですよ。」
「霊感?視えるってことか?」
「はい。視える時も何か感じた時も頭が痛くなるんです。」
「じゃあ、これは何か曰く付きの刀だというのか?」
「おそらくは、そうなんじゃないんですか。」
総司が感じたものがそうだとしたら何故このような刀を彼女は持っているのか
「あー、分かんねぇな…」
「でも、彼女のことが好きなんですよね。」
「好きだ。だから、月子をなんとかしてやりてぇんだよ。」
「きも。」
「うっさい。ほら、早く帰らねぇと土方さんに怒られちまうな。さっさと帰るぞ総司。」
「はいはい。…っう!」
また総司は頭を抑え始めた
今度は刀も何も持ってないのにだ
「総司?!」
「これは相当やばいのが来てますね…っ!」