残された俺達は今後どうするかについて話し合うことに決めた
「どうするよ。」
「この子が落ち着くまでは僕の部屋で預かりますね。」
「そ、それは…」
「どうかしました?」
「いや、なんでもねぇ。」
「そうですか。永倉君の部屋は平助君や原田君が来そうで少し不安ですからね。」
山南さんは柔らかい笑みで俺を見た
「大丈夫ですよ。僕は人の想い人を奪うつもりはありませんから。」
「……!!」
「バレてないと思いましたか?永倉君は特にわかり易いですからね。僕が握り飯を持ってきた時月子さんを見る目が明らかに変わってましたから。」
カーっと顔が熱くなる
…多分俺、柄にもなく顔が真っ赤だ
「あれ?違いました?」
「いいや、山南さんの言う通りだよ。俺は月子に一目惚れをした。」
月子が笑った瞬間俺はこいつに恋をした
綺麗だった
その笑顔はまるで綺麗な月のようだった
月のようだけど太陽みたいだった
「春ですね。なら、来れる時はなるべく来て月子さんの相手をしてあげてくださいね。」
「あたり前だぜ。毎日来たら流石に佐之たちにバレるから暇さえあればここによることにする。山南さん、月子に惚れないでくれよな。」
「えぇ、分かりました。」
「約束だからな。」
「そんなに疑わなくてもいいんですよ。僕には恋沙汰なんて興味ありませんから。」
「だといいけどよ。じゃ、俺もそろそろ戻るな。じゃあ、あとは頼んだぜ。」
俺は山南さんの部屋を後にした